1. プランターに土を入れる前に考えておきたいこと
ベランダで植物を育てるとき、まず気になるのが「水がちゃんと流れるかどうか」です。市販の培養土をそのまま使っても、プランターの底に水がたまるようでは、根が傷んでしまいます。そこで意外と大事なのが「鉢底の環境を整えること」です。
今回使ったのは、ベーシックなプラスチック製のプランター。底には排水穴が開いていましたが、そのまま土を入れてしまうと、土がこぼれたり、排水口が詰まってしまうことがあります。そこでまず、不織布を小さくカットして底に敷きました。
次に、鉢底石として軽石を入れます。高さでいうと2〜3cmほどで十分です。鉢底石を入れることで、水の通り道が確保され、土に水が滞留しにくくなります。根腐れを防ぐうえでも、このひと手間が効いてくると感じました。
加えて、軽石の代わりに使える素材として「発泡スチロールを割ったもの」も便利です。軽量で扱いやすく、鉢が重くなりすぎるのを防ぐという利点があります。排水性だけでなく、持ち運びやすさにもつながる工夫です。
2. 排水をよくするためのひと工夫
鉢底石を入れたあとは、土を重ねるのですが、そのときに気をつけたいのが「水の通りやすさ」です。土を詰めすぎたり、粒子が細かすぎる土を使うと、排水が悪くなってしまいます。ベランダのように風通しや日当たりが限られている場所では、こうした水の流れが植物の育ちにも影響しやすくなります。
今回は、市販の培養土に少しだけパーライトを混ぜてみました。軽くて通気性がある素材なので、ふんわりとした仕上がりになりました。水をかけると、じわっと下に抜けていく感覚があり、土の中が蒸れにくくなった気がします。
また、プランターの下にすのこを敷いて底を少しだけ浮かせることで、排水口に水がたまりにくくなります。これだけでも、水がしっかり流れるようになったのを実感しました。
もしすのこが無い場合でも、角材やレンガで数センチ浮かせるだけで効果はあります。ただ、倒れないように気を付けましょう。こうしたわずかな工夫で、湿気のこもりにくい環境がつくれます。
3. ベランダならではの排水トラブルに備える
ベランダは室外とはいえ、排水口が限られているので、土や根が流れ出てしまうと、すぐに水はけが悪くなってしまいます。特に雨の日や水やりのあとの余分な水がうまく流れず、鉢の下にたまってしまうことも。
対策としては、排水穴に目の細かいストレーナーやフィルターキャップをつける方法があります。これは100円ショップなどでも手に入り、プランターの下から土が出にくくなります。また、排水口のまわりにすきまテープを貼ったり、不織布を折りたたんで詰めておくと、詰まりにくさが大きく変わります。
こうした工夫をしておくだけで、掃除の手間も減らせますし、長く快適にガーデニングを楽しめると感じました。排水のことを考えた土づくりは、ベランダで育てるうえで欠かせないポイントです。
ベランダだからこそ、水の行き先を意識しておくと、植物も人も心地よく過ごせるでしょう。