雨から植物を守る簡易オーニング製作

雨

1. 雨よけを設置するなら“布選び”から

鉢植えをベランダに出していると、急な雨に慌てることがあります。特に多湿が苦手な植物や、土の跳ね返りで傷みやすい苗は、ちょっとした雨でもダメージを受けやすいです。そんなときに役立つのが、簡易オーニング。今回は、賃貸でも使える布製タイプをテーマに、最低限の道具で組める方法をまとめました。

まず大切なのが、布の選び方。防水加工されているもの、または撥水性のある布地を用意します。屋外用タープやレジャーシートを代用するのもアリですが、見た目や耐久性を考えると、UVカット+撥水布が安心です。サイズは設置場所より一回り大きめが目安。軽くても風でめくれないよう、ハトメ穴や重しを使って固定できるタイプがおすすめです。

色味はベージュやカーキなど、植物の緑になじむものを選ぶと落ち着いた印象になります。遮光性も気にしたい場合は、裏地にアルミ加工があるタイプを選ぶと、真夏でも効果的です。

2. フレームは“固定しない”構造で

賃貸や集合住宅では、壁に穴を開けたりネジを打ったりするのが難しい場面が多いです。そこで便利なのが、突っ張り棒やイレクターパイプを使った可動式のフレーム。室内用カーテンレールのように設置できるので、必要なときだけ広げて、不要なときは取り外すといった使い方もできます。

今回は、ベランダの物干し竿に固定できるように、布の端にカラビナを付けておきました。もう一方は重りを入れた袋を吊るしてテンションをかける仕組み。風が強い日は取り外しておけるため、常設の不安も軽減されます。

DIY初心者でも扱いやすいのは、100均やホームセンターで手に入るスチール製の結束バンドや吸盤フック。設置したい場所に応じて、取りつけ方を工夫すれば、工具なしでも十分対応できます。何度か試してみると、最小限の資材で安定させるコツがつかめてくるでしょう。

3. 守るだけでなく、日々の動線も考えて

雨対策としてのオーニングは、ただ日陰を作ればいいというものではありません。植物の配置や人の通り道、窓の開閉など、実際の生活動線も視野に入れておくと、ストレスが減ります。設置してみて「あれ、洗濯物が干せなくなった…」となっては本末転倒です。

布の角を斜めに折ると、水の流れが一点に集中しやすくなり、排水口へ自然に誘導できます。ちょっとした折りの工夫で水はけも向上しますし、カビや腐敗の予防にもつながります。気になる場合は、オーニング下にすのこを敷くと通気がよくなります。

また、植物側に日光が入る角度を意識して設置すれば、光を遮りすぎる心配もありません。朝日だけ避けたい場合は、布の向きを東側だけカバーするなど、細かく調整してみてください。必要に応じて、時間帯で開閉できる構造にするのもひとつの方法です。